「少子・高齢化」は誤解させる-少子化と高齢化とは全く別
「少子高齢化」は『人口構成のうち若年齢者の割合が減少する「少子化」と、高齢者の割合が相対的に増加する「高齢化」が、同時に進行している状態』を指すのみで、少子化と高齢化それぞれ別の背景や対策があり、一緒くたにできない意味で、恥ずかしくも、私も誤解していました。
古いですが抜粋(第1節高齢化・人口減少の意味)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je03/03-00301.html(平成15年度経済経済白書)脚注略
高齢化の進行と、今後確実に見込まれる人口の減少は、特に経済成長や社会保障制度を中心とする公的部門に与える影響との関連で、我が国経済社会の将来に対する大きな懸念材料となっている。少子・高齢化の進行は、経済成長による所得水準の向上や医療技術の進歩、人々の価値観の変化等に伴って各国共通にみられる現象であり、我が国に限られた問題ではない。しかし、我が国における少子・高齢化は、他の先進国と比べてそのスピードが非常に早く、従来の制度のままでは様々な問題が生じる。高齢化・人口減少による影響を緩和するためには、まず、子どもを欲しいと思う人々が子どもを生み育てられる環境を整備することにより、行き過ぎた出生率の低下に歯止めをかけることが重要である。さらに、例え出生率が反転したとしても長期間に渡って続くと見込まれる働き手の減少の影響を緩和するため、現在、就業意欲があるのにも関わらず、必ずしも十分にその能力を活用できていない女性や高齢者の就業を促進することが求められる。以上のような認識の下、本節においては、我が国における高齢化や人口減少の現状とその背景について検討するとともに、出生率の低下を反転させ、女性や高齢者の就業を促進する上での課題について論じる。
1 高齢化・人口減少の進行 ●少子化の進行 少子化の傾向に歯止めがかからない。2002年の合計特殊出生率は1.32と前年の1.33を0.01ポイント下回り、過去最低を更新した。我が国の合計特殊出生率は、1947年には4.54であったものが、1960年頃にかけて急速に低下し、60年代、70年代前半の高度成長期には、66年の丙午(ひのえうま)を挟んで、2.0前後で安定していた。その後、再び低下傾向となり、89年のいわゆる「1.57ショック」を経て、2002年の1.32に至っている。これは、人口水準を維持するために必要とされる2.07をはるかに下回っている。こうした出生率の実績は、5年ごとに行われる「日本の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)」(以下、「将来推計人口」という。)において見通された出生率を下回っており、予想を超える勢いで少子化が進んできた。今後の合計特殊出生率は、2002年1月に推計された将来推計人口の中位推計によると、2007年に1.31まで低下した後、緩やかに回復し、長期的には1.39程度で安定すると見込まれている。また、低位推計においては、2000年の1.36から更に低下を続け、2050年には1.10に到達すると見込まれている。
●高齢化の進行 少子化と同時に高齢化も進んでいる。2002年10月1日現在における老年人口(65歳以上人口)は2,363万人となっており、老年人口比率(総人口に占める65歳以上人口の比率)は18.5%となった。我が国における高齢化は、そのスピードが極めて速いことが特徴となっている。老年人口比率が7%から14%に達するまでの所要年数を比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、比較的短いドイツやイギリスでもそれぞれ40年、47年であるのに対し、我が国の場合、7%に達したのは1970年であり、それが14%となったのは1994年と、その期間はわずか24年であった。「将来推計人口」の中位推計によると、我が国の老年人口比率は今後も上昇を続け、2025年に28.7%、2050年には35.7%と極めて高水準になると見込まれている。これは、現役世代(20~64歳)約3.6人で1人の高齢者(65歳以上)を支える現在の状況が、2025年には約1.9人で1人、2050年には約1.4人で1人を支える状況になることを意味する。このような結果、我が国はイタリアを上回り、先進国中最も高齢化の進んだ国となる。
●人口減少社会の到来 以上のような少子・高齢化が進むなか、我が国の人口は、2006年に1億2,774万人でピークに達した後、死亡数が出生数を上回り、人口が減少していくと見込まれている。これは少子化を理由に、単に相対的に高齢者の比率が増えるという段階を過ぎて、少子化によって人口が減る段階に入るということを示している。「将来推計人口」の中位推計によると、将来の人口は2025年には1億2,114万人、2050年にはおよそ1億60万人になると予測されている。人口の年齢構成も少子・高齢化によって大きく変わる。年少人口(0~14歳)が総人口に占める割合が低下するだけでなく、生産年齢人口(15歳~64歳)が総人口に占める割合も低下していくことが見込まれる。2000年時点の生産年齢人口は8,622万人で、総人口に占める割合は68.1%となっているが、これが2050年にはそれぞれ、5,389万人、53.6%にまで低下することが見込まれている。生産年齢人口の減少は、労働投入の減少を通じて経済成長の制約となると考えられるが、総人口に占める生産年齢人口の割合の低下は、支え手の減少を通じ、社会保障制度の基盤を不安定なものにすることが懸念される。
以下略
要約が目的ではないものの、この節の要約や2025年に近い今との比較はいい練習になります。(時間ができたら更新します)