法改正事項

仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(労政審建議)

すぎなみ耕援事務所

厚生労働省の労働政策審議会建議「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について」を公表します、とあります。「建議」とは、審議会が所管大臣に対し、「報告を取りまとめました。法案に反映願います」との位置づけです。事務局の法律案要綱に沿うような内容ですが抜粋します。令和7(2025)年以降に順次施行されそうです。→5月31日育児・介護休業法改正公布しました

令和5年12月26日労働政策審議会雇用環境・均等分科会報告概要

https://www.mhlw.go.jp/content/001184059.pdf

Ⅰ はじめに

○ 男女とも育児・家事を担いつつ、希望に応じて仕事やキャリア形成との両立が可能となるようにしていくことが重要な課題であり、また、男女ともに働き方を見直していくことは、少子化対策にも資する。
○ 介護休業を始めとした両立支援制度が知られずに利用されていないことや、制度の趣旨への理解が不十分で効果的な利用がされていないことから両立が困難となっている状況を改善し、介護離職を防止していくことが喫緊の課題である。

Ⅱ 必要な措置の具体的内容

1 子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応
(1) 子が3歳になるまでの両立支援の拡充
○ テレワークを活用促進するため、事業主の努力義務とする。
○ 短時間勤務制度について、1日6時間を必置とした上で、他の勤務時間も併せて設定することを促進するとともに、短時間勤務制度を講ずることが困難な場合の代替措置にテレワークを追加する。
(2) 子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充
○ 各職場の事情に応じて、事業主が柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢(※)から労働者が選択可能なものを2以上選択して措置を講じる義務を設け、労働者はその中から1つ選べることとする。
(※)始業時刻等の変更、テレワーク等、短時間勤務制度、保育施設の設置運営等、新たな休暇の付与
○ 労働者は権利として子が小学校就学前まで所定外労働の制限(残業免除)を請求できることとする。
(3) 子の看護休暇制度の見直し
○ 感染症に伴う学級閉鎖等や子の行事参加(子の入園式、卒園式及び入学式を対象)にも利用できるようにし、請求できる期間は、小学校3年生修了時までとする。
(4) 育児期の両立支援のための定期的な面談
(5) 心身の健康への配慮

2 仕事と育児の両立支援制度の活用促進
(1) 制度の活用をサポートする企業や周囲の労働者に対する支援
(2) 育児休業取得状況の公表
○ 男性の育児休業取得率の公表義務の対象を、常時雇用労働者数1,000人超の事業主から300人超の事業主に拡大する。

3 次世代育成支援に向けた職場環境の整備                         ○ 次世代育成支援対策推進法を令和17年3月末まで延長する。
○ 企業の取組促進のため、一般事業主行動計画について、男性の育児休業取得率や時間外労働に関するPDCAサイクルの確立や数値目標の設定を義務付ける。
○ 「男女とも仕事と子育てを両立できる職場」を目指す観点から、一般事業主行動計画策定指針を見直す。
○ 「くるみん」などの認定基準を見直す。

4 介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等            ○ 事業主に以下の措置を講ずることを義務付ける。
・介護に直面した労働者が申出をした場合に、両立支援制度等に関する情報の個別周知・意向確認
・介護に直面するよりも早期(40歳等)の情報提供
・研修や相談窓口の設置等の雇用環境の整備
○ 介護期の働き方について、テレワークを事業主の努力義務とする。

5 個別のニーズに配慮した両立支援                            ○ 子に障害がある場合等の要介護状態の判断基準について今後さらに検討する。
○ 事業主に、妊娠・出産の申出時や子が3歳になるまでの適切な時期の面談等の際に、労働者の仕事と育児の両立に係る個別の意向の聴取とその意向への配慮を義務付ける。

6 仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備(プライバシーへの配慮等)

ABOUT
すぎなみ耕援事務所
すぎなみ耕援事務所
代表 社会保険労務士・行政書士
杉並区阿佐谷パールセンター商店街が事務所の社会保険労務士・行政書士です。東京都庁25年勤務、人事給与・健保険者の幅広経験を有します。経営改革・IT推進の事業実績も携え、BCP(事業継続計画)含む課題解決に尽力します。
Recommend
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました