子ども・子育て支援法改正と「0.99ショック」
New 「2025年育介法大改正の準備は今!」始めました(2024.10.18)→育介休モデル規程は既にあり、就業規則等改正準備にすぐ着手できます。
どう捉えるべきか持ち合わせないながら、これらが同日に出てくる不思議相関です。※当方の失念した「出生後休業支援給付金の創設」「育児時短就業給付金の創設」を追記しました(7/4)。
子ども・子育て支援法改正
出典 : 子育て支援法成立 児童手当拡充、所得制限を撤廃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA03B0M0T00C24A6000000/ 2024年6月5日 日本経済新聞
改正法の趣旨
「こども未来戦略(令和5年12月22日閣議決定)の「加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置を講じるとともに、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための子ども・子育て支援特別会計を創設し、児童手当等に充てるための子ども・子育て支援金制度を創設する。」
児童手当所得制限撤廃・高校生拡充も、支援金一部は社保料上乗せ
児童手当支給要件 | 改正前 | 拡充後(R6.10月~) |
0~2歳 | 15,000円 | 15,000円 (第3子以降30,000円) |
3歳~小学生 | 10,000円 (第3子以降15,000円) | 10,000円 (第3子以降30,000円) |
中学生 | 10,000円 | 同上 |
高校生 | なし | 同上 |
所得制限 | あり | なし |
年間支給回数 | 3回 | 6回(R6.12月~) |
追加される子ども・子育て支援金負担(2028年度制度完成)/公的医療保険 | 1人あたり平均負担額 |
健康保険組合(大企業) | 500円 |
協会けんぽ(中小企業) | 450円 |
共済組合(公務員・短期給付) | 600円 |
国民健康保険(自営業者等) | 400円 |
後期高齢者医療(75歳以上) | 350円 |
出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の創設
本法施行に雇用保険法改正が含まれ、2025年度からの育児・介護休業法改正と軌を一にします。
出生後休業支援給付金の創設
現状・課題
育児休業取得時、休業開始から通算180日まで賃金67%(手取り8割相当)、180日経過後50%支給 ⇒若者世代が、希望どおり、結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにするため、夫婦ともに働き、育児を行う「共働き・共育て」を推進する必要、特に男性の育児休業取得の更なる促進
見直し内容
- 子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へ引上げ
- 配偶者が専業主婦(夫)、ひとり親家庭の場合、配偶者の育児休業の取得を求めず給付率引上げ
- <財源>子ども・子育て支援金を充当 <施行期日>2025(令和7)年4月1日
育児時短就業給付金の創設
現状・課題
育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した労働者に対して給付する制度はない。
⇒「共働き・共育て」の推進や、子の出生・育児休業後の労働者の育児とキャリア形成の両立支援の観点から、柔軟な働き方として、時短勤務制度を選択できるようにすることが求められる
見直し内容
- 被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。
- 給付率については、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間で勤務することを推進する観点から、時短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。
- <財源>子ども・子育て支援金を充当 <施行期日>2025(令和7)年4月1日
2023年の全国出生率1.20、東京都は初の0.99
出典 : 2023年の出生率1.20、過去最低を更新 東京都は0.99
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA03CEI0T00C24A6000000/ 2024年6月5日 日本経済新聞
合計特殊出生率 | 1人の女性が生涯で出産する子の数/2023年 | 同/2022年 |
全国 | 1.20 | 1.26 |
東京都 | 0.99 | 1.04 |
北海道 | 1.06 | 1.12 |
大阪府 | 1.19 | 1.22 |
宮崎県 | 1.49 | 1.63 |
沖縄県 | 1.60 | 1.70 |
残念だと思うこと
為政者のごたごたで、大事な問題が国民的議論にならなかったことです。当方が公務員でないのみ唯一救いのある反面、負担感を増す制度について、従業員や経営者に説明しづらい状況です。